障害を持つ子のきょうだい児の優しい心。親や周囲はどう向き合う?

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もしも我が子が障害を持って生まれてきたら・・・。

親ならば一度ならずとも、考えてみたことがあるのではないでしょうか?

でも実際に障害を持つお子さんをお持ちの方々にとっては、それはまさしく毎日の現実。

中でも障害を持つ子の兄弟姉妹に対して、親としてどう向き合って行くのかということは、とても重くて重要なテーマのひとつだと容易に想像できます。

ここで、あるご家庭の出来事をご紹介したいと思います。

生まれつき障害を持つ双子の兄

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出典:https://www.photo-ac.com

このご家庭には、双子の男の子がいます。

お兄ちゃんには生まれつきの難病と、その後診断された自閉症があり、病気のために体が他の子に比べると小さく、コミュニケーションもうまく取れないため、実際の年齢よりも幼く見られます。

双子の弟さんは定型発達なので、いつも2人で一緒にいるとお兄ちゃんに間違えられます。

そのたびに「違うよ。僕が弟であっちがお兄ちゃん。病気だから体が小さいんだよ」と弟さんは説明していたそうです。

やがて2人は7歳になり、弟さんは小学校に入学します。

ある日、教室に貼ってある入学式の写真を見ながら盛り上がっていた子どもたちの一人が、写真に写るお父さんに抱っこされたお兄ちゃんを見つけ、「これ誰の弟?」と聞きました。

これまでと同じように、弟さんは「弟じゃなくて、僕のお兄ちゃんだよ。僕たち双子だもん」と答えます。

ところがこれまで大人に説明をしてきたときのようには行きません。

相手は小学1年生の子どもたちですから、当然その意味がわかるはずもなく「嘘だあ。だってこの子小さいじゃん。それに抱っこされてるし」と思ったままを口にします。

それでも弟くんは、嘘だ、嘘だという同級生たちに向かって「嘘じゃない」「病気だから体が小さいんだ」と頑張ったそうです。

無防備な心に負った大きな傷

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出典:https://www.photo-ac.com

学校から帰宅した彼は、目に涙をためて、お母さんにその出来事を報告します。

事実を受け入れてもらえない悔しさ、大切な兄を馬鹿にされたような憤りがあったのではないかとお母さんは感じ、できるだけ冷静に内心の焦りを悟られないように、彼に言ったそうです。

「それは辛かったね。嘘つきって言われても負けずに言い返すなんて、本当に強い子だね!よく頑張ったぞ」

「だけどみんな小さいから、君の言うことがまだ分からないのかもしれないね。大丈夫。後はお母さんに任せなさい」

お母さんにしてみれば、彼が幼い心をどれだけ痛めたか、初めての体験にどれだけ悔しい思いをし、優しくて無防備な心が傷ついたか、それを思うと本当に動揺したと思います。

彼と同じくらい、息子たちを想うお母さんの気持ちも傷ついていたことでしょう。

でもこのお母さんは冷静さを保ち、担任の先生に「年齢が同じでも、生まれつきの障害ゆえ体が小さい子どももいるのだということを、子どもたちに伝えてほしい」と頼ました。

そして先生も翌日にはクラス全員の子にそれを話して、嘘つきと弟さんに言った子どもたちも謝ってくれたそうです。

心の柔軟な1年生の子どもたちが持っている優しい気持ちは、きっと先生の説明を素直に受け止めたに違いないと思います。

傷ついた心にせめて包帯を用意して

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出典:https://www.photo-ac.com

この体験をされたお母さんは、こう話します。

できることなら、子どもが悲しい思いをしないように守りたい……。それが親の本心です。

けれど、子どもは友達の言葉で傷ついたり、逆に傷つけたり、そんなことを繰り返して大人になってゆくのでしょう。そして、心ない言葉を浴びたぶんだけ、きょうだい児は強く器の大きな人間へと成長していくのだと思います。

その代り、子どもの表情が暗かったり、とげとげしい物言いをするなど、いつもと違う様子があれば見逃さないようにしていけたらと思います。

傷ついて帰ってきたときに、せめて包帯を用意して、「大丈夫!なんてことないんだよ!」と穏やかな笑顔で受け止めてあげられる親でありたい、そう思っています。

あなたはどう思いますか?

きょうだい児が抱える心の負担

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出典:https://www.photo-ac.com

専門家によると、障害のある子をきょうだいに持った子は、そうでない子に比べて何かしらの問題を抱えていることが多いという研究結果があるそうです。

その中には優等生で優しい子として、ずっと自分の本当の感情を押し殺して成長するために、成人になってから苦しむ子もいれば、親の注意を惹き付けるために問題行動を繰り返す子もいます。

表現の仕方はそれぞれだとしても、何かしらの心の負担を抱えていることは紛れもない事実でしょう。

だからこそ、そうした子へは障害を抱えている子と同じか。それ以上の配慮が必要だといいます。

障害を持つ子の問題をきょうだいには隠さずに伝え、年齢に応じて説明をしていくことが大切で、家族全体でその子をサポートしていくという姿勢が大切なのだそうです。

子どもたちは家族に対して自分に何ができるのかを知り、その環境の中で成長することで、人を大切にできる子に育つ。

それと同時に、障害のある子に邪魔されずに自分一人になれる場所と時間を用意してあげ、その子とじっくり向き合える機会もできるだけ作っていく努力が必要ということです。

親の側もどれだけ大変なことかと思いますが、さきほどの例でご紹介したお母さんは、まさに理想的な対応をされていると感じました。

社会全体でサポートできたら

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出典:https://www.photo-ac.com

同時に、これは他人事ではなくて、例え自分では障害のある子を持っていなくても、一緒に考えていきたい問題であると思います。

自分の子が障害のある子を目の前にしたときに、どんな態度を取るかというのは、普段から親である自分がどんなことを伝え、どう教えているかということが如実に現れる瞬間だと思います。

もちろん口で言って教えるだけではなく、親が実際にどんな態度をしているかを、子どもはしっかりと見て感じ取っています。

ですから、自分の内面を子どもの姿を通して見せつけられる、そんな瞬間でもあるのではないでしょうか。

障害のある子や人を特別視することなく、生活の中で誰もが自然に受け入れられる、そしてみんなでサポートしていける、そんな社会であれたらいいなと思います。

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